Sunday, January 23, 2005

白川博之監修 2001 中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック スリーエーネットワーク

庵功雄 高梨信乃 中西久美子 山田敏弘 著

日本語能力試験2級以上のレベルの学習者向けとあるが、かなり詳しい説明。
日本語学の現在(2001年時点)までの成果がまとめられていて、便利。

目次
指示詞 コ系とソ系
格助詞
 対象
 手段、原因、根拠、情報源
 状況
 その他の形式と一般的な特徴
並列助詞
時間を表す表現
 テンス
 アスペクト
立場を表す表現
 直接受身文・「YはXがV」型構文・相互文
 間接的な影響を表す表現
 使役文・使役受身文など)〔ほか〕
自動詞と他動詞
授受の表現
可能と難易の表現
引用表現
比較の表現
話し手の気持ちを表す表現
 判断
 義務・勧め・許可・禁止
 意志
 感動・詠嘆・感情の強調など
 疑い・確認
 終助詞
関連づけ のだ・わけだ
否定と疑問の表現
「は」と「が」
とりたて
 主題、対比
 限定、付け加え、数量の見積もり
 評価
名詞修飾表現
複文
 条件
 理由・目的
 逆接・対比
 〜て・付帯状況・相関関係
 時間
接続詞
待遇表現
話しことばにかかわる表現形式
文体
省略
名詞・代名詞
接辞
漢語
文法と音声の関係 

Friday, January 14, 2005

日高薫 2003 日本美術のことば案内 小学館

日本美術のタームの解説
すはまって、お菓子しか知りませんでしたワ(w
洲浜とすはま団子は材料が一緒なだけで、別物なんですって
折り紙つき・極めつき ていうのも語源がいっしょなんだって

日本美術のモティーフ
 土坡(どは) 洲浜 すやり霞 金雲 宝相華 
日本美術の技法
 野毛・砂子 截金 白描 肥痩線 裏箔・裏彩色 たらしこみ 暈(くま) 押絵貼・貼交
日本美術の表現
 衣文 皴法 異時同図 吹抜屋台 葦手絵 片身替わり 留守文様 
日本美術の鑑賞と保存
 三幅対 六曲一双 引手跡 後補 伝 伝世品 折紙・極(きわめ)  
日本美術の基礎用語辞典

Thursday, January 06, 2005

小池清治  2001 現代日本語探究法 朝倉書店

シリーズ〈日本語探究法〉の1
著者は宇都宮大教授
丁寧なルビがついていて、留学生にも読みやすいよう工夫されている。
卒論などのテーマさがし・研究法の参考に。
目次
第1章
「日本」は「にほん」か、「にっぽん」か? —音声言語と書記言語・名詞
キー:促音・撥音の表記法、言葉読み。文字読み
「にっぽん」が法規的には正しい
第2章
日本語に主語はないのか? —文法・構文論
キー:主語・主格・主題(題目語)・対象語
大槻文彦「主語」=Subject 山田「主格」=Subject 松下「題目語」
主語否定論ー橋本 三上 北原
主語設定論ー久野 柴谷 仁田
第3章
「栃木県に住む外国人」と「栃木県に住んでいる外国人」は同じか?—文法・動詞
キー:アスペクト、動作動詞・状態動詞・瞬間動詞・変化動詞・可能動詞・特殊動詞、始動相・継続相・存続相・完了相・既然相・成立相・終結相、ル形・テイル形。タ形
第1次アスペクト=ル形・タ形
第2次アスペクト=動詞+テ+イル・アル
第3次アスペクト=動詞+ハジメル・ダス/ツヅケル/オワル (複合動詞)
 (ル形は意味がより狭く、状態動詞の基本形は未来をも表しうる)
第4章
ラ抜き言葉が定着するのはなぜか?—文法・可能動詞
キー:可能表現、能力の可能・状態の可能・蓋然性の可能、可能動詞
体系の整備の観点からみれば、ラ抜きの定着はあきらか
第5章
「それでいいんじゃない?」はなぜ肯定になるのか?—文法・疑問文・存在詞
キー:挨拶語・省略表現・日本語の曖昧性・否定疑問文・存在詞文・ウナギ文
ある・いる を肯定形で尋ねる場合、単純な疑問文と、ないはず・いないはずの意を込める場合との2種類がある。
ない・いない? と否定形で尋ねる場合、単純な疑問の用法はなく、あるはずの意を込める場合のみ
第6章
なぜ、「安くておいしい店」と言い、「おいしくて安い店」とは言わないのか?—文法・形容詞
キー:形容詞の語順・ク活用形容詞・シク活用形容詞・必然的十分条件・偶然的必要条件
英語の語順は固定的であるのに対し、日本語の語順は自由で、強調という修辞機能を担っている。
形容詞語順は心理的生起の順序による。
第7章
「全然、OK。」は、全然許されないか?—文法・日本語の変遷・副詞
キー:情態副詞・程度副詞・呼応副詞(陳述副詞)
副詞の用法の拡大の方向性 情態→程度→呼応
第8章
「しかし」は論理に関する接続詞か?—文法・文学と語学・接続詞
キー:順接の接続詞・逆接の接続詞・論理的「しかし」・心理的「しかし」
芥川=「しかし」偏愛型の作家
第9章
助動詞「た」は過去を表すか? —文法・助動詞
キー:過去の「た」・以前の「た」・状態の「た」・想起・命令・決意の「た」・完了の「た」実現の「た」ル形叙述・タ形叙述
・動的文体・静的文体
金田一春彦・寺村秀夫・高橋太郎
第10章
「ここが皇居です。」事実の初出にはガが用いられるのか? —文法・助詞
キー:ハとガ、既知・未知
ガは叙述内容を対象化する。
第11章
「わかりますか?」と「わかりますか。」はどちらが正しいか —表記・助詞
キー:疑問符号・イントネーション
第12章
父親はいつから「オトウサン」になったのか? —共通語と方言・親族呼称
キー:共通語の成立・周圏型分布・東西型分布・表意型分布
第13章
夏目漱石はなぜ「夏目嗽石」と署名したのか? —文学と語学・レトリック
キー・誤字・当て字のレトリック、タイトル・主題・主要レトリック三位一体の技法
第14章
「夜の底が白くなつた。」「夜」には「底」があるか? —文学と語学・レトリック
キー:共存制限
第15章
孤独な魂は擬人法を好むか? —文学と語学・レトリック
キー:擬人法

Tuesday, January 04, 2005

戸田禎祐  1997 日本美術の見方 角川書店

東大文学部美術史ゼミのテキストとしても使われたもの。
I先生の後期の日本美術史のテキスト予習。

目次
1 日本美術における中国の影響
 宋元画の影響
 唐絵と大和絵
 装飾性と工芸性
 円光の表現
>>   
 中国の美術史研究家は中国の美術にしか興味がないようだが、東アジア全体での比較が重要な意味を持つことも多いのだ、というような話。
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2 日本美術における日本的なもの
 宗達
 界画 信貴山縁起絵巻
 琳派 草花図
 日本的な絵画鑑賞の成立 牧ケイ「露山図」→切断
 東アジア絵画史の展望 日本:観美(視覚的美)中国:真(リアリズム)
ギリシアのヌードと中国の山水画の成立は世界の美術の歴史の奇跡といえる現象

3 水墨画における中国と日本
 『宣和画譜』→日本絵画は、絵が綺麗で見た目の美しさをとろうとしている、真(リアリティー)はないと評。
 中国では唐中期に水墨画(色彩を捨て、トーンのリアリティへ)が起こり、元代に具象画が起こる。
 日本は南宋の山水画(暗示的)の一部分を受け入れ、水墨の本質=巨大なイリュージョン を拒否