『こころ』大人になれなかった先生 石原千秋 みすず書房
目次
テクスト――夏目漱石『こころ』
「上 先生と私」/「下 先生と遺書」
第1回 なぜ見られることが怖いのか
長すぎた遺書/眼差しへのこだわり/眼差しが怖い/仮面を作ること/心は器械だろうか/叔父の裏切り/人生の指針を受け取ること/尊敬すべき友人/屈折した感情/敗北としてのKの恋/自殺の理由/仕組まれた恋/大人になる儀式
第2回 いま青年はどこにいるのか
語る人間の物語/冒頭と末尾の矛盾/隠された感情/青年の敬愛と先生の倫理/解らないということ/擦れ違う二人/謎の言葉/奥さんを「批評的」にみること/先生の禁止を破る青年
第3回 静は何を知っていたのか
「先生」と呼ぶ理由/エリートのための純粋培養システム/高等教育の中の出会い/「先輩」としての先生/趣味を見分ける目/ほころびの意味/手紙の数/Kの墓参り/静は何を知っていたのか/本当はすべて知っていたのでは?/愛は止められない
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