1 本を読む前にわかること
言語論的転回(ヴィトゲンシュタイン)
「命名される前の”名前を持たないもの”は実在しない」
言葉が使えると言うことは嘘がつけるということ(黒崎宏)=嘘の裏側に嘘でない現実が実在すること
「世界が言語である」として、その世界を認識する主体は自分だということ
2 小説とはどういうものか
「電車男」は小説・文学か? (文学の定義はない)
パラテクストが効いている面も大きい(新潮社が出版している)
物語の4つの型でできている
(内→外→内)浦島型
(外→内→外)かぐや姫型
(内→外)退行型(反立身出世)
(外→内)成長型(立身出世)
3 読者はどういう仕事をするのか
物の因果は人間の問題意識に依存する
リアリティーを支える読者の好みは時代によって異なる
古典が古典たり得るのは多くの読者による読み直しの努力の賜
「内包された読者」(イーザー)
「物語は一つの文である」(バルト)「~が~をする物語」「~が~になる物語」とパターン化
4「正しさ」は変わることがある
評論は「ふつう」はこう思う(=内包された読者の位置)が、実は違う、がポイント
しかし、この「ふつう」が時代とともに変わる (パラダイム・チェンジ)
永江朗『不良のための読書術』
平野啓一郎『本の読み方 スローリーディングの実践』
佐藤正午『小説の読み書き』
石原千秋『漱石と三人の読者』
ミシェル・アダン『物語集』
山鳥重『「わかる」とはどういうことか』
仲正昌樹『「わかりやすさ」の罠』
内田樹『先生はえらい』
苅谷剛彦『知的複眼思考』
鷲田清一『悲鳴をあげる身体』
永井均『ヴィトゲンシュタイン入門』
野矢茂樹『無限論の教室』