Friday, September 24, 2004

川島隆太+安達忠夫 脳と音読 2004

脳と音読 講談社新書 1716 2004/05
ISBN:061497162
<<目次>>
第1章 音読を楽しむ
第2章 子どもはことばをどう学ぶか
第3章 「ことばの力」を育てる
第4章 さまざまな音読と脳の反応

◎感想
結局、音読は脳を活性化するという前提が崩れたという話なのに、見出し(表紙カバー)に「音読ほど脳を活性化する活動はない!」なんて書いてあって、こういうやりかたはどうなのかな? M学院大の先生の音読本ブームのせいか、ちょっと売り方・企画(編集側)の芸がないと思う。

◎メモ
現代人の言葉遣い、特に敬語の学ばせかたは「聞く」「模倣する」体験が必要 テレビ→全頭前野の血流が下がるX p78
胎内での聴覚反応 言語としてではない(新生児RL識別→9ヶ月で識別不能)
ITによる視覚情報処理 前頭前野の血流低下
不快の情動(罰)を与えたほうが学習は速く成立。
脳の発達のターニングポイント=3歳(体積増加)・10歳(前頭前野発達)
意味の分からないことばにも脳の同じ領域が反応
音声言語:聴音・側頭葉聴覚野→ウエルニッケ 発声・前頭葉補足運動野、顔・口の運動野、ブローカ野
文字言語:読む:目→後頭葉視覚野→側頭葉下面(文字の形の処理)・側頭葉下頭小葉(意味の理解)
     書く:補足運動野・手指の運動と感覚を支配する運動野・感覚野
音声言語と文字言語は独立して処理されるもの→音読=デュアルな高度な脳活動
韓英日トリリンガルの場合:第1言語韓ー側頭葉のみ、第2英ー+左脳ブローカ野、第3日ー側頭葉のみ
日本人:第一日ー側頭葉のみ、第2英ー+左脳ブローカ野。英単語を日の語順でー側頭葉のみ ?? 語順が重要ではないか
独唱(活性化)>合唱(活性化せず)→群読 注意(前頭前野はたらかず)

◎著者について
*川島 隆太さん 東北大学教授・医学博士
1959年千葉市生まれ。東北大学医学部卒。現在、東北大学未来科学技術共同研究センター教授。専門は脳機能イメージング研究。著書に『自分の脳を自分で育てる』(くもん出版)、『読み書き計算が子どもの脳を育てる』(子どもの未来社)など。 高齢者の脳機能の維持・改善を目指したプロジェクトを産官学共同で立ち上げるなどの社会活動、教師・子どもを対象にした講演活動などにも意欲的。
*安達忠夫さん 東京大学・教養学部教養学科ヨーロッパ・アメリカ文化研究 教授
1944年福島県生まれ。東京大学独文科卒、同大学修士課程人文科学研究科修了。 現在の専門分野 ドイツ文学 , 北欧文学 , 児童文学

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