Tuesday, September 21, 2004

萩原裕子 脳にいどむ言語学 岩波科学ライブラリー59 1998

萩原裕子 脳にいどむ言語学 岩波科学ライブラリー59 1998
<<目次>>
1 ことばのしくみ
2 ことばが失われる
3 言語理論からみた失語症
4 文法の障害と遺伝子
5 言語活動の瞬間をとらえる

1 単語のなりたち:メンタル・レキシコン  <形態素=語幹と接辞(派生接辞・屈折接辞)
2 失語症の症例紹介 ブローカ失語:失文法発話  ウエルニケ失語:ジャーゴン(新造語) 語義失語
3 ブローカ失語・失文法〜てにをは脱落 早く獲得したものは失われにくい(主要部のパラメータ値は保持)
   動作動詞能動文・間接自動詞受動文・間接他動詞受動文・心理動詞能動文・無生物名詞能動文は理解するが、動作動詞受動文・所有不可分離受動文・所有可分離受動文・心理受動文・無生物名詞受動文は理解困難。
   100%理解の構文と50%理解の構文がはっきり分かれる。
4 特異性言語障害=聴覚、調音、認知能力に障碍はなく、自閉でもないが4〜5歳までに習得できるような時制、格、人称、性、数などをまちがえる障碍。(遺伝性→家族制言語障害) >読字障碍(下位タイプ)=第15染色体関与
  英語母語話者の場合、形態素の誤りが多い(規則動詞の過去形-ed の省略・不規則動詞はOK)→生産的規則が使えない
  日本語母語話者の場合、動詞の時制・文法格助詞・統語の理解に問題
  言語によって障碍のあらわれ方は若干異なるが、基底にある障碍の性質は同じ。
5 脳波N400は意味的な逸脱で反応。言語学で得られた知見をもとに精密にコントロールされた実験を積み重ねてゆく→ヒトの言語機能の理解
 健常者対象の実験結果から、言語学で仮定されている階層構造という概念が脳内の活動にも一部対応
 また、「文法演算処理」というのを反映した実験結果がえられる可能性もある。

◎萩原裕子さん(都立大助教授)について 都立大HPより
1955年生まれ Ph.D.(マッギル大学、1987年)
専門は言語学、神経言語学、言語の認知脳科学
「言語理論に基づいた脳内言語処理機能の解明とその応用」生成文法で仮定されている良みと統語の区別、階層構造、言語計算の局所性、統語解析のボトムアップ法、言語機能のモジュール性などのさまざまな概念について、健常者、失語症患者、統合失調症者を対照として、言語行動検査、および事象関連電位(脳波)、脳磁計などの脳機能イメージング技法を用いて、神経学者、生理学者、情報工学者たちと共同実験研究を行っている。
言語理論、生成文法、文法の障害、失文法失語、ブローカ失語、言語の規則と連想記憶、統語解析、言語の認知脳科学、事象関連電位(ERPs)、脳磁図(MEG)、言語処理の脳内機濠w部科目:新言語入門(一般教養)、言語学(人文学部共通科目)
大学院科目:英語学特別研究(言語の認知脳科学)
著書:『認知科学-特集:言語理論と認知脳科学』8巻1号、2001年、(編著)「脳にいどむ言語学」岩波科学ライブラリー59、1998年、
受賞:市河賞(1998年)、日本認知科学会論文賞(2002年)
http://www.metro-u.ac.jp/staff/hum/staff2-9.html#hagiwara

◎講演会 九州大学箱崎文系地区社会貢献委員会主催
言語障害特別セミナー:
「言語学と失語症研究」「文処理の脳内メカニズム」
講師:萩原裕子 先生
日時:平成16年10月10日(日)
場所:麻生リハビリテーション専門学校 8階ホール( 福岡市博多区東比恵)
http://www.lit.kyushu-u.ac.jp/~cslp/seminar/20041010/

◎灯台COEテーマ講義「心とことば」萩原裕子さんの日の講義メモ
http://blog.livedoor.jp/gandhi/archives/2572517.html

お師匠さまには、著無好は読まなくていい、といわれているけれど、UGがある(ありそう)というのをどんどこ実証しようとしているのはすごい! と思った。それに、わくわくする! けど脳波のあたりになると、よくわからなくなって、ほんとかよ〜という気もしないではない。まだ脳のことはよくわからないらしいからね。
講演会に行ってみたいけど、とおいなあ・・・
こういう「わくわく」が最近ないんだよね。

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