町田健 2002 まちがいだらけの日本語文法
a 1日1冊 本を読むこと(できるだけ専門関連分野で)
b 机に向かう時間も1日8時間(とりあえず学生期間中)
c 学説史と学問史の徹底理解
この3点を実行します!
と宣言してもすぐ挫折するので、このブログを読書記録帳にして励みます。
*[book]町田健 2002 まちがいだらけの日本語文法 講談社現代新書 \735
ISBN:4061496182
<<目次>>
0 文法はなぜ必要なのか
1 単語が並んで文をつくるしくみを考える
1-1 文を分節に区切って何がうれしいのか 1-2 自立語と付属語の区別は何の役に立つのか
2 動詞を見れば文の性質がわかる
2-1 未然形や連用形という名前はこれでいいのか 2-2 自動詞と他動詞の区別はよくわからない 2-3日本語にはどうして未来形がないのか
3 助動詞は文の性質をさまざまに変更する
3-1 動詞を否定する「ない」と形容詞を否定する「ない」は違う 3-2 推量や推定の助動詞をどう区別するか 3-3 れる/られる の教え方は正しいか
4 助動詞が助けるもの
4-1「格助詞」の「格」とはどういう意味なのか 4-2 「は」はどうして「副助詞」なのか
5 文のしくみを説明してこそ文法だ
5-1「太朗は平泳ぎが上手だ」の主語は何か 5-2 どうして日本語の述語は文末に来るのか
5-3 日本語にはどうして関係代名詞がないのか
6 国文法はどうしてこんなに問題が多かったのか
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- ギモン点と感想メモ
--連体形と終止形・・・ 学校文法でなぜやるかというと、たぶん古典文法の学習につなげるため。未然形は「む」につづく形で、古典文法では一つの形だし、「連体」「終止」は同じではない(一段動詞は同じだけど)。
--用例:p.54 の「子供が泣いているので、お菓子をあげた。」・・・? 「泣いていたので」じゃないと変じゃありませんか?
--p.99 「た」のモダリティ表示・・・「どいた、どいた」「行った、行った」の「た」は命令のモダだけど、「どく」「行く」行為の完了状態の提示+〜するがいい の後半部省略では? つまり どいたがいい、行ったがいい の前半部 形容詞の命令形はふつうは使わないから、前半部だけの表現がとられた→命令のモダ こんなカンジでどうかな?
--「ない」が、形容詞なのか否定の助動詞なのか、という問題提起 p.p.102-114 否定表現は、現代語では「〜ない・〜ません」のかたち。(打ち消しの「ず」は使われない。)つまり活用語尾とも考えられる。「力がある」←→「力がない」=あらない 寂しくない=寂しく(は)あらない(ありません) この「あらない」といういいかたは妙にきこえるかもしれないけど、丁寧形の「ありません」はふつうの言い方。だから、実は原理的には存在する言い方、ってことじゃないでしょうか。ある時期から「ず」(終止)→「ぬ」(連体)の通用が起こって、「ぬ」(完了)とまぎらわしくなったため、否定の「ぬ」(ん)を使わなくなったのではないか、と推察しますが、そんな論文がありますでしょうか?
主語:p174 主語と述語は対応している(主語によって動詞述語は選ばれている)のだから、主語と連用修飾語(主語以外の補語)を区別する必要がある、というところは賛成です。
ーー言語学のヒトも国語学のヒトも日本語教育学のヒトも専門分野以外の論文には当然ながら、あまり詳しくない。けれど、関連分野だからものを書いたりする。で、お互いに誤解が生じてますます交流がなくなる。そんな傾向があるのかな、という気がした。どの分野の方も関連する分野、隣接分野の文献(学問史も含めて)をきちんと知っておくことが大事だと感じた。昨今の日本語学の研究成果については、特に初等・中等教育に携わる方々は積極的に取り入れるべき。
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